2016年11月10日木曜日

社会人男性にオススメ☆【砂の王国<感想(ちょっとネタバレ)>】

綺麗な起承転結な構成だった...

就活に行き詰まってる学生や、仕事で悩んでいる社会人に読んで欲しい作品です!

また、主人公の男性らしい「強さ」と「脆さ」には、共感する方も多いのではないでしょうか。
しかし、かなりの長編です
文庫本でも、上下編になってた上、
どちらも500ページ近いので、忙しい人にはあまりオススメではないかもです。。。
それでも、そういう忙しい人にこそ、読んで欲しいテーマでした。
 
<以下ネタバレ注意>

この物語は、リストラされた主人公がホームレス生活を始めるところから始まります。
その後、紆余曲折を経て宗教団体を立ち上げて...
という「底辺からの成り上がり」ストーリーです。 

社会で“働く"こと、“消費する"こと、“生きる"ことについて考えさせられる作品でした。
特に、主人公木島の生活面の変化と想いの変化との関係には、深く考えさせられました。

“お金がないと、生きていけないけれど、お金があれば、幸せなわけでもない"...

というのは当たり前のことですが、実際には難しい問題なのだと思います。この作品のラストは因果応報ながらも救いのある、私的にはとても納得のいく結末でした。
人によっては続編を求める方もいらっしゃるかもしれませんが、
私はこれが綺麗な結末だと思っています。

あと、ハッキリ明言されていないけれど、
最後のアレが“砂の王国”だと思っています。。。
ただ、毎回“砂の塔”を壊すという主人公は、
“砂の王国”に対してはどう接していくのだろうか…
そういう意味では、私も続編が読みたいです!!!

また、後半冒頭のエコライヴでの仲村の演説には凄く引き込まれました...
宗教自体は、やはり悪いものなのではなく、「救い」であるのに、
それを商売や政治に利用することで、
周囲を傷つけるものになってしまうのだと感じました。

 「ホームレス」、「消費社会」、「宗教」、「環境問題」の他にも
「インターネット」「性的少数者」の差別など、
いろんな社会問題についても触れられている作品なので、
是非いろんな人に読んで欲しいと思います。

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