2017年6月30日金曜日

社会や心をテーマにした短編【5まで数える】<感想>

タイトルと同名のものを含む6つの短編集で、内3つは社会風刺的な小説です。
動物愛護や、集団ヒステリー、エセ科学商法などを扱った話なのですが、社会風刺系の作品をあまり読まない私には、かなりショッキングな展開でした...。 対象を酷く描くことで、より強く風刺しているのかと思いますが、悲しいです...。  
ただキャラクターは魅力的でした。特に疑似科学バスターズは最高です。書き下ろしの前日譚「バスターズ・ライジング」では、より堪能できます。ホークアイの宿敵ロクスタの人柄も分かります。ただの悪役かと思ったら、かなり狡猾な人でした...。
  
私が一番オススメなのは、書名と同タイトルの「5まで数える」です。数が分からない男の子が、教会でのある出会いをきっかけに成長していく話です。大人と子どもの発想の差に悲しくなる場面もありますが、主人公アキラの気持ちが終始伝わってくる作品です。タイトルに惹かれて、手に取った本だったので、同タイトルの作品が好みだと何だか嬉しいです。
最近、発達障害を抱えた主人公の作品が増えた気がします。それだけ、発達障害は症状が多く、抱えている人が多いのかもしれません。

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