2017年8月6日日曜日

優し過ぎるラストだけど...【東京カウガール】<感想>

<ひとりの女性が複数の不良再起不能にする場面に出くわした英治。彼女目的に迫っていくが...>
...という謎の美女をめぐる物語です。
 
優しすぎるラストに物足りなさを感じるけれど、英治たちを裏の世界に近づけまいとする繁叔父さんたちの裏工作のおかげでこの穏やかラストに辿り着けたと考えると、物語に深みを感じます。
大学生の英治に対する繁叔父さんの優しすぎる態度や、その原因...。これらは、この物語の事件の中では、さして重要ではないので、あまり解決も変化もしないけれど、今後の彼らの関係の変化を見たいと思わされる魅力的な部分ではあります。
ただ、物語の軸となっている英治の奈子さんへの行動は、やや不誠実に感じました...。
英治目線だと、奈子さんの正体も目的も、予想がついた状態で、そのままある程度順調に物語は進んでいきます。
恋心があったにしても、周りの人々との約束があったにしても、いろいろと隠し事や嘘がある上で恋人関係になるということにやや不満が残ります...。恋人関係になってから、<気づいていなかっただけで、元々恋に落ちていた>という考えも、言い訳のように感じてしまいました。
それでも、これは奈子さんを救う物語であり、彼は一人で事件に翻弄されていた彼女を救い出しました。
私が疑問を感じた英治の行動や性格が問題になる物語があるのだとすれば、このあとの話になるのかなと思います。
英治の独特の性格が、奈子さんや繁叔父さん、他の周囲とどのような関係を生んでいくのか、アフターストーリーが読みたいです。

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