2017年9月15日金曜日

若者にオススメな正義の窃盗団モノ【アノニム】(感想)

原田マハさんは以前から気になっていた作家さんのひとりで、今回初めて作品を読んだのですが、凄く読みやすかったです!!!「アノニム」という耳慣れないタイトルから、少し固い感じの話を想像していたんですが、とてもテンポがよく、ライトな文体でした。舞台が香港で、様々な国の人が登場するのですが、台詞が外国人っぽいところも面白かったです。
ただ、章が変わったあとに、同じ場面なのに印象も変わる場面が何度かありました...。「小説 野生時代」で連載されていたようなので、その名残かもしれません。でも、続けて読むとやや違和感を感じました...。
 

この作品の内容を簡単に言えば、<美術作品を『救う』窃盗団(?)とアーティストを夢見るディクレシア(文字を上手く読めない症状)の少年の話>です。彼らの間には、ジャクソン・ポロックというアーティストがキーワードとなるのですが、彼は実在の人物で、なんと、表紙の抽象画は彼の作品です!!!お洒落だなぁとは思ってたけど、美術作品だと知ってびっくりしました...。思わず本を落としちゃいました...。

他の実在するアーティストの名前も名前もいくつか出てきたり、美術の勉強をされてる方には、面白い内容なのではないかと思います。
また、アノニムが主人公、英才に伝えたメッセージ、彼の行動は、美術関係に限らず、若者へ夢を追いかける勇気を与えるものでした。10代の内に読んでいれば、私ももっといろんなことに挑戦する勇気をもらえていたかもしれないと、自分の年齢を考えさせられる作品でもあります。

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