2018年1月26日金曜日

学生時代の自分を見つけて【よるのばけもの】<感想(ネタバレ控えめ)>

タイトル通り、ファンタジーですが、イジメのあるクラスの話です。理由や少しの良識のあるイジメで、何となく見に覚えのある人もあるのではないかと思います。私もここまであからさまではないけれど、少し既視感のある話でした。
そして、私はあっちーくんや矢野さんのように優しくも強くもありませんでした。また、器用さも華やかさも持ち合わせてなく、感情的だったように思います。だから、相手の想いや正しいことにまで考えが回っていませんでした。
だからか、この作品の結末に際して、主人公のあっちーくんよりも、工藤ちゃんに強く同情してしまいます。 あの話の後に、こんな結末になるなんて、彼女にしてみれば、きっと物凄く裏切られた気持ちでしょう。それに、 彼女の仕打ちは酷いものですが、彼女なりに、理由もあるのです。身勝手で、正しくない理由だとしても...。
もちろん、彼の悲しみも理解は出来ます。ただそれは工藤ちゃんのとは別の次元、別の段階にあるように思いました。自分のズレを見つめて、葛藤しての結末なのですから、工藤ちゃん達より先のステップにいて、それは当然と言えます。
しかし、それが余計に工藤ちゃんに同情させられます。仲のよかった友人に置いていかれたようなものですから...。
どうか、世の中の「工藤ちゃん」が、自分のズレに向き合う機会と、冷静に考えられる余裕を得られることを祈ります。

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