2018年2月23日金曜日

「パンドラの箱」のような社会小説【R帝国】

近未来SF戦争小説です。
現代社会のいろんなことをモチーフ、風刺していて、フィクションだと分かるのに、不安になるような現実みがあります。
しかし、それがとても悲しくてとても虚しいです。誰かのため、社会のためを思って日々頑張っているほど、虚しさを感じて、絶望してしまうかもしれません。私は絶望はしませんが、凄く反省すると共に、少しの諦めも覚えました。
絶望の詰まったお話ですが、ほんの少しの希望もあります。まさに「パンドラの箱」のような作品でした。
また、政治的な部分なども多く、かなり難しい内容だったハズだと思うのですが、分かりにくい場面はほとんどありませんでした。また、量も350ページにも及ぶボリュームのある作品にもかかわらず、私は1日で読んでしまいました。
いろいろと考えさせられる深い内容ながら、非常に読み易い作品で、中村文則さんの才能を実感しました。この難しい内容をこんなに分かりやすく書くなんて、きっととても賢い方なんだろうと思います。

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