2018年6月2日土曜日

傍観する眉美くんに...【緑衣の美少年】<感想(ややネタバレ注意)>

美少年シリーズ第8弾。
今回、美少年探偵団は胎教委員会へ映画で勝負をしかけます!
< 委員会主催の短編映画祭で入賞することで、足がかりにしようとする探偵団。
そんな中、眉美くんの視力の残り時間が少ないことが発覚!眉美くんは探偵団の活動中止に...。 >
今回、眉美くんの探偵団パートがほとんどなく、傍観者の立場です。
それでも、いつも通りの彼女なのが、凄く切なくて...。
探偵団が日常の中心で、その中で自分への肯定感を抱きつつあった彼女にとってはきっととても寂しい日々だったハズなのに、普段通りに振る舞おうとしていたんだと思うと、すごく愛しい...。
最近は長縄ちゃんという新しい友人が出来たとはいえ、探偵団が特別だったことには変わりないでしょうし...。
でも、眉美くんの独特の目線で読むからか、彼女自身が意識的に自覚するまで、全然気づきませんでした。
それを自覚させるまでの展開は、本当に秀逸です。
団長の作品がきっかけになるというのは、さすがです。
彼の作品は、探偵団での眉美くんを知っていてこそなのですが、私は泣いてしまいました...。
最後の眉美くんは、達観しているようで、このシリーズのクライマックスを予感させます。
探偵団を休止していても、傍観して、達観して...。ある意味「美観のマユミ」としての役目を果たしているようなのは、美少年探偵団らしくも思います。
それでも、終わりは寂しいなぁ...。
巻末の短編のコミカルさも、本編後に読むと切なくなります。
創作くんの前向きな一言が、本編のクライマックスな雰囲気への切なさに拍車をかけます...。
 
次回、「美少年M」は2018年秋ごろだそうです。
それまでには、もうちょっと乱歩作品を読もうかな。

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