ド派手なバトルが比較的少ないので、もの足りなく感じる人もいるかもしれないけれど、登場人物たちの内面がとても丁寧に描かれていて、中学生や高校生にオススメしたい作品です。どちらも小学館の公式漫画アプリ「サンデーうぇぶり」を使えば、(時間はかかりますが)最後まで無料で読むこともできます。
結界師|サンデーうぇぶり
BIRDMEN|サンデーうぇぶり
まず、『結界師』は学園日常あり、ラブコメあり、陰謀ありの妖怪退治モノ。
これは特に家族の関係に重きを置かれた作品だと私は感じました。
代々受け継がれるお役目や、母親不在の二世帯家族、子どもの能力に怯えたり、蔑んだり......。
いろんな関係が描かれます。
この母親不在というのは、主人公の家庭なのですが、不仲なわけではなく、適性的な理由で、母が働き、父が家庭を守っているんです。
10~20年前の2003~2011年に連載されていたにもかかわらず、平均的な日本人とは異なる家庭だったんです。なおかつ、代々のお役目のある伝統的な家というハイブリッド設定。
LGBTsが認められつつある今、再び注目されるべき作品じゃないかと思います。
一方、『BIRDMEN』はタイトル通り、翼の生えたミュータントたちが活躍する作品で、ファンタジーというよりSFです。
こちらも、家族について描かれますが、そこから一歩踏み出して、他人や社会・世界との繋がりも描かれます。
つまり、個人と他者、社会との接触により生まれるいろんな衝突や葛藤、苦悩などが丁寧に描かれます。
また、この「繋がり」というのは重要なポイントで、ミュータントたちの異能の設定も「繋がり」と関係があります。インターネットの仕組みと通じるようなところもあり、とてもワクワクするSF作品でした。
また、生物の進化に関することもいろいろと描かれるので、自然科学の学問に興味を持つきっかけにもなるんじゃないかと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿