2018年1月31日水曜日

働く女性たちのお話【ランチのアッコちゃん】<感想>

2014年本屋大賞受賞作品。
2015年春に NHKBSプレミアムにて、蓮佛美沙子さん主演、全8話でドラマ化もされた作品です。

タイトルの「ランチのアッコちゃん」を含む短編集。
どれも働く女性たちの話です。
彼女たちは皆十人十色に個性的で、その奮闘ぶりが周りを巻き込んで行く様にワクワクさせられます。

2018年1月30日火曜日

『幼女戦記』の作者のSF作品【ヤキトリ 1 一銭五厘の軌道降下】<感想>

アニメ化もされたWeb小説『幼女戦記』の作者、カルロ・ゼンさんのSFシリーズ作品第1巻です。
あとがき読むまで、カルロ・ゼンさんって、アメリカ人かと思ってました...。幼女戦記もですけれど、登場人物の台詞がアメリカの映画っぽいんですもん!あと、言葉遊び的な部分が多いので、余計に日本語で話を書く外国人なのかと、勘違いしてました。
今作は、アメリカ人、イギリス人、スウェーデン人、中国人、ロシア人が出てきますが、主人公は日本人です。しかも、かなりひねくれた仕上がりになっています...。
もの凄く苦労してきたせいで、こんなに捻れた性格になってしまったんだろうけれど、ここまで歪んでしまうと、どうしようもないレベル。口も性格も酷い主人公です...。ただ、現実にもこういう人がたまにいるから、悲しい...。
上記の他の人達もなかなかの曲者揃いのようではありますが、イギリス人が割りと酷い。作中で、主人公とイギリス人が何度も衝突するのですが、主人公視点で読んでいることもあり、凄く嫌なヤツに見えます。2巻では、是非名誉挽回して欲しい...。
また、SFということで、地球人が外の知的生命体から「見つかった」後の世界での話です。私は科学技術的な部分より、地球の文明の変化の部分が凄く興味深かったです。主人公の言葉から、日本はかなり教育水準が下がった社会のようで、勉強を必死にしていた彼ですら、英語はローマ字を読めるくらいのレベルみたいでした...。あまり詳しく描かれていなかったけど、今後の話でそういう部分も描かれたらいいなぁ...。
2巻では、地球外生命体、「商連人」に関する話だそうです。私は彼らの考え方がそこまで嫌いじゃなくて、面白かったので、何が描かれるか凄く楽しみです!

2018年1月28日日曜日

少年はバレエが好きだけど...【ダンス・ダンス・ダンスール 1~2巻】<雑感&紹介>


バレエが好きな少年のスポーツマンガです。
他の大切なモノも抱えた彼が葛藤しながらも、突き進んで行く様が凄くカッコよくて、素敵です。

老いることを前向きに【おらおらでひとりいぐも】<感想>

第54回文藝賞と第158回芥川龍之介賞受賞作品です。
70代前半のおばあさんが主人公の話で、一人称視点のような三人称の語られます。東北弁が凄く多いですが、 声に出して読んでみると、意外と分かりました。
序盤は描写が丁寧過ぎて、読みづらかったのですが、中盤あたりからだんだん面白くなって行きます。自分と主人公に共通点を見つけて、私も老後はこんな風になるんだろうかと不安になったり、祖母のことを思い出して微笑ましく思ったりしました。
年配の方の思い出話よりも、もっと踏みこんだ部分のある話なので、読み終えた今は年をとることに少し前向きになれた気がしています。

2018年1月26日金曜日

学生時代の自分を見つけて【よるのばけもの】<感想(ネタバレ控えめ)>

タイトル通り、ファンタジーですが、イジメのあるクラスの話です。理由や少しの良識のあるイジメで、何となく見に覚えのある人もあるのではないかと思います。私もここまであからさまではないけれど、少し既視感のある話でした。
そして、私はあっちーくんや矢野さんのように優しくも強くもありませんでした。また、器用さも華やかさも持ち合わせてなく、感情的だったように思います。だから、相手の想いや正しいことにまで考えが回っていませんでした。
だからか、この作品の結末に際して、主人公のあっちーくんよりも、工藤ちゃんに強く同情してしまいます。 あの話の後に、こんな結末になるなんて、彼女にしてみれば、きっと物凄く裏切られた気持ちでしょう。それに、 彼女の仕打ちは酷いものですが、彼女なりに、理由もあるのです。身勝手で、正しくない理由だとしても...。
もちろん、彼の悲しみも理解は出来ます。ただそれは工藤ちゃんのとは別の次元、別の段階にあるように思いました。自分のズレを見つめて、葛藤しての結末なのですから、工藤ちゃん達より先のステップにいて、それは当然と言えます。
しかし、それが余計に工藤ちゃんに同情させられます。仲のよかった友人に置いていかれたようなものですから...。
どうか、世の中の「工藤ちゃん」が、自分のズレに向き合う機会と、冷静に考えられる余裕を得られることを祈ります。

2018年1月25日木曜日

伝達力のような表現力【羊と鋼の森】<感想(ネタバレなし)>

調律師の話です。また、2016年の本屋大賞受賞作品でもあります。
私は、著者の宮下奈都さんの作品は初めて読んだのですが、言葉の使い方にびっくりしました。表現力というより、伝達力という感じがします。
言葉はそもそもコミュニケーションに使うものなのだから、伝達力があって当然だと思うかもしれません。しかし、言葉だけで人の心を表現することは出来ません。いろんな人がそれぞれ違う世界を持っているけれど、言葉だけでそれを共有することは凄く難しいです。
この作品は、それを踏まえた上で世界を言葉で表現されているように、私は感じました。作中では何度か森の風景が描写されます。綺麗でありながらも、正確に描かれていて、私の知らない光景であることは間違いないのに目に浮かびます。でも、きっと作者の世界とは違うようにも思います。
主人公自身、言葉での説明に悩む場面があったり、登場人物たちがひとつの出来事に対して、考えることが違うという場面が何度も出てきます。
ただこの作品は、そういった個々人の世界の違いや、言葉の不完全さを悪いこととしては書いていません。そもそも、何が正しいというようなこともなく、ありのままを描いているように感じます。その寛容さがとても素敵で、私は言葉を不完全なままでも少し好きになれそうな気がしました。

2018年1月23日火曜日

月山さんと女性陣がカッコいい【東京喰種:re 14巻】<雑感(ややネタバレ)>

149話でカネキを想って、号泣しながら、語る月山さんが最高...。
あのナルシストな月山さんが、涙でグッチャグチャの顔になりながら、ただカネキのことを想って、反論する様が泣ける...。今まで狂ったようにカネキくんを追いかけていた月山さんだから、見ていたものがあるんですよね!
トーカちゃんの代わりに爆発したというタイミングの良さも、また...胸に来る...。
私は148話から149話の場面だけで、メッチャ泣いた...。この場面は、東京喰種の中で、月山さんの一番の見せ場だったと思う!!
ちなみに、例のコミカルさも健在です!
あと、トーカちゃんも今回、凄くよかった...。
妻になって、母になって、今までとは違う顔というか、雰囲気というか、そういった秘めた魅力を感じます。特に、カネキに対する表情なんかが凄く良い...!
一方、郡さんと貴未さんは「働く女性」というカッコよさです!郡さんがバリバリのOLといった感じで、貴未さんが白衣の似合う研究者です。メッチャカッコいいし、二人とも仲の良い男性(タケさんと西尾先輩)がいるので、かぷ厨的にも美味しい(^q^)
巻末おまけの最後は、タケさんと郡さんのちょっとした会話があるんですが、凄く私好み雰囲気でした!これが14巻の最後にあることで、読後感がとてもスッキリします!
また、おまけといえば、アヤトくんと才子ちゃんは相変わらず、ずば抜けて面白いwww
アヤトくんは今回も出番の少なさで弄られるわけですが、圧倒的なむっちゃんという絶望的な本編からのアヤトくん弄りはギャップが物凄いwww
(このむっちゃんのカネキへの対応も私は好きです。イトリさんもですが、全体とは違う方向を向いている彼女たちも魅力的でした。)
才子ちゃんは、今回出番そんなに多くないけれど、おまけの「もんたろう」のインパクトがすごくて...。
4月からのアニメでは、あやねるが才子ちゃんの声やるんですよね!どんな風になるか楽しみー!才子ちゃんはおまけでも本編でよネタが豊富だから、小ネタをいっぱいやってほしいーwww

2018年1月21日日曜日

良いラストだった...!【ニチ朝】

こんな時間になっちゃったけど、ニチアサの雑感!
キラプリは、最終回前のラストバトル!
なんだかんだで和解エンドなのが何より良いよね!
エリシオとプリキュアの対立も、単純化されてるけど、大人同士の揉め事の原因でもあることだと思う!個人的には直接的に「キライ」を消そうとしてても、面白かったなぁ...
それでも、凄く好きなプリキュアだった...
プリキュア全部見たわけじゃないけど、見た中では一番好きなプリキュアだった...!
次期のプリキュアはどんな感じかなー!CMだけだとイマイチよく分からなかったんだよねぇ...

ビルドは、大人たちの思惑が犇めいてて、スターク暗躍しまくりで、かなり込み入ってる(笑)世の男児たちにどこまで伝わってるのか...でも、子ども騙しではないってことだよね!

2018年1月20日土曜日

ある事情を抱えた家族の話【アンマーとぼくら】<感想(ネタバレ控えめ)>

タイトルからお察しの方も多いかと思いますが、沖縄が舞台の家族のお話です。
元々、主人公は北海道で暮らしていたので、北海道のことも多く描かれています。北海道と沖縄、そして主人公の本名に関連した県の3つに共通したある小ネタには、ニヤッとすると同時に、ヒヤッとして、奥付けの作家欄を確認しました(笑)
終盤で明らかになるいろんな伏線は面白かったんですが、個人的に「お父さん」が好きになれませんでした。子どもっぽいけれど、「憎めない」父という設定ですが、私は好きじゃないです。ただ、以前読んだ有川浩作品のおじさんもあんまり好きなキャラじゃなかったので、単純に好みじゃないだけかと思います。
主人公の「ぼく」や晴子さんは好きです。「中盛り一丁」の場面は不覚にも泣いてしまいました。
あと、「限界」になって泣き叫ぶ場面は、ビクッとなりました。字面を追っていただけなのに、「ぼく」の感情が伝わって来たように...。
有川浩作品は好きでないキャラも多いけれど、理由もなく胸に迫るこういった描写があるので、好きです。

2018年1月17日水曜日

ディズニーでの映画化控えたファンタジー【紙の魔術師】<感想>

一昨年、ディズニーが映画化の権利を取得したほど、海外では人気のファンタジー小説です。
何となく気になって、手に取ったものの「魔術師なのに、紙なんて...www」と思いながら、読み始めました。でも、予想以上に面白かったです...。紙を嘗めてました...。実は、この「紙」は主に折り紙として活躍します。そこが日本人的には面白い部分で、また海外で人気がある理由なのかもしれません。
ストーリーは、王道的なファンタジー成長譚ですが、主人公が女の子なためか、後半からは恋愛要素も強くなっていきます。しかも、成長譚なのにドロドロというか、独特でダークな雰囲気をもった恋愛要素です。
恋愛要素とはいえ、ファンタジーで、成長譚なので、好みが別れるところかもしれませんが、私は好きです。たとえ今好きな人でも、内面や過去にどんなものを抱えているか分からない...という恋愛の際に見逃しがちな部分がスリリングに描かれています。リアルさが良ちょうど良くて、「あー、あるある!」と頷かされたり、主人公の言動に尊敬させられたりしました。
ただ、個人的には、訳がちょっと不満でした...。一部、疑問に感じるような場面があったことと、巻末の訳者あとがきがレポート課題のようだったことが不満です。個人なワガママなのですが、海外の作品は原作者と訳者の両方のあとがきが読めるのが楽しみのひとつだったので、学校のレポートのようなあとがきだと物足りないのです...。
しかも、第二部(この作品は三部作になっています)のあらすじをガッツリ書かれていて...。出来るだけ情報なしで読みたいです...。
でも、作者の紹介をいろいろ書いてくださってるのはありがたいです!ただ原書で読むだけの語学力はないので、英語の勉強しようかなぁ...。

2018年1月14日日曜日

「一人語り」こその母娘<感想&考察(ネタバレ控えめ)>

湊かなえ作品はいくつも実写化されている有名な作家さんの一人だからこそ、叙述トリックに騙されないつもりで読み始めたのに、この一人語りに翻弄されました...。しかも、今回も人の心を濾した闇のようなドロドロに暗い話でした。「不快」な話なのに、この読後の満足感...。
 
語り手の嫉妬で溢れんばかりの内面を描きつつも、バッサリとしたラスト。描かれていない部分へも想像を拡げさせる余地を与えてくれる論理的な展開。これが湊かなえ作品の魅力だと思います。
そして、これらによって、作品が読み手の鏡となっているように感じます。
もう湊かなえさんの実力にさすがとしか、言えないです。
 
タイトル通り、ほとんど母娘の話で、主に娘視点が多いです。
他人ではないとはいえ、それぞれの考えがあり、でも同じ空間で生活する母娘。その間で、生まれるいろんな想いが「一人語り」で描かれるわけですが、「母娘」という関係の特異性を感じました。
上下のある個人同士の関係ながらも、一緒に暮らす親密さも持つ、学校や会社など社会で築くのとは違う関係です。「ベストフレンド」という話は、母娘の関係があまり描かれていない話なのですが、これが収録されていることで余計に「家族」の特異性が際立っています。
また、家族が特殊な集団になっているのは、成長期の多くの時間を過ごす空間だからだと考えます。
本のタイトルになっている2つの話、「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」では娘視点と第三者視点の母娘が描かれます。「ポイズンドーター」だけでは、見えなかったタイトルの意味が「ホーリーマザー」では分かるわけですが、私はこの「毒娘」を嫌悪する気にはなれませんでした。
成長期は、未発達で多感で、人格形成に重要な時期だといいます。それならば、その時期の関係はもっと気を配るべきではないでしょうか。同じ世代の友人同士ならともかく、親や先生といった立場なら、配慮できる筈ですし、他と比べて、良い悪いという問題ではないと思いました。
家族は社会とは別のある意味閉鎖的な集団で、親も初めて育児に取り組むからこそ、いろんな問題が起きるのでしょう。そういうことを含んでの、この結末なのだと感じました。

また、この本の「私」たち、特に1話目「マイディアレスト」では、孤独によって高まった反社会性・暴力性の問題を感じました。

先日読んだ宮内悠介さんの「彼女がエスパーだったころ」に載っている「ムイシュキンの延髄」でもそういった話があったので、この本でもその部分が気にかかりました。
宮内さんの作品では、「孤独が暴力性を高める」ということから、ある行動をとる人物が出てきます。そちらはロボトミー手術などの話で、語り手は事件当事者ではなく、記者の目線になるので、大分雰囲気は違います。ただ個人と集団の話という点は、同じなので、興味のある人はこちらも是非!これの感想はコッチに書いてます→

湊かなえ作品は、一人語り形式だからこそ、個人と社会の間の歪みが際立つのだと思います。また、誰もがどこかに抱えてる悩みでもあるから、「不快」になることなく、こういった問題を考えさせられて、反省させられます。

2018年1月10日水曜日

アニメ化楽しみな榎田がメイン巻!【博多豚骨ラーメンズ 4】<雑感>

キノコ回ですよ!みなさん!!
榎田くんの過去話があって、榎田くんが活躍する話!脇役でいつも光ってる彼が今回は主役!!彼はやっぱり出来るキノコだったよ...!
マルさんの出番も地味に良いポジションで、かぷ厨な私は、マル×エノキやエノキ×マルもいいなって思ったのでした。ただジローちゃんの役割が相変わらず少なくて寂しい...。佐伯先生と違って、割りと出番は多いのに、本編の話からは蚊帳の外なイメージが強いんだよね...
 
また、今回はリンちゃんの榎田くんの真似があって、
今月から放送(今週の金曜日、1/12の夜から1話が順次放送されるハズです!)のアニメでも楽しみな話でもあるのです!
(きっとこの4巻の話もやるよね...?やってくれ!)
榎田くんの声は、ハリポタや黒子の小野賢章さんで、リンちゃんがエレンやアリババくんの梶さん...
...普通に違和感なさそう!
リンちゃん役は女性声優さんがやるかと思ってたけど、梶さんなのかー
普通に楽しみ!

2018年1月9日火曜日

21世紀の個人と社会【彼女がエスパーだったころ】<感想>

第38回吉川英治文学新人賞受賞作品。
現代社会の中での個人や集団を、いくつかの事件の取材を行う記者の視点から描いた6つのお話です。
前半の3つは特に21世紀現在のSNSやマスメディア、それに対する大衆の様子がしっかり描かれています。マスメディアやウェブメディアの動きや市民の振るまいには、クスッとさせられる場面もいくつかあります。逆に、恥ずかしさや後ろめたさも覚えるよう箇所もあり、リアルさを感じました。
事件を煽り騒ぎ立てるメディアや大衆とは、対称的に当事者たちの秘められた想いが丁寧に描かれています。事件の当事者というだけあって、何かしら抱えているわけですが、それを顧みないメディアの動向には、憤りを覚えるとともに、反省させられます。
後半は、怪しい市民団体や、緩和ケアといった20世紀から続く問題を取り上げています。
私は最後の話「沸点」が好きです。気に入ったキャラが辛い目にあってしまう話でもあるんですが...。
主人公の記者のそれまでの事件の後の「谷」のような時期の話で、またある団体の話です。その中で人口の「転換点(ティッピング・ポイント)」が取り上げられるんですが、これは日本の文化の流れの中でも、似たような雰囲気を感じたことがある気がします。在日外国人やGLBT、また時間外労働への意識も、何度か問題として、メディアから取り上げられてからは、それ以前よりずっと多くの賛同者を得ているように思います。それ以前の社会をちゃんと知らないだけだったり、反発している人達が私の思っている以上にいるのかもしれませんが...。
それでも、「転換点」とこの話の結末は、私に少しの希望をくれました。

2018年1月6日土曜日

男と女と...【劫尽童女】<感想&考察>

10年以上前の作品で、読んだことがあったのに気づかず手に取ったんですが、改めて読んでみると、やはり以前とはちょっと違う感想をもちました。
ハラハラドキドキする展開は、ぼんやりと覚えていたので、 彼らの迎える結末を想って、 ハラハラというより、悲しい気持ちで見守るような気持ちでした。なので、初めて読んだときより、落ち着いて読めたんですが、登場人物たちの言葉に少し反論したくなったので、ここで書かせてもらいます。
「元は女で、男になる」という意味の台詞を二人の登場人物が語るのですが、私はこれは少し違うと考えます。
たしかに、男性の体に女性の名残と思われる部位があることや、染色体が女性がXXで男性がXYであることから、「女が男になる」と考えられます。
でも、そうするとやや違和感があります。女性の体のときに出来た出産が、男性になると出来なくなるというのは、生き物の進化として非効率ではないでしょうか。男性も出産が出来た方が生物的多様性は高まるはずです。
にもかかわらず、男性が妊娠出来ないのは、「女が男になる」のではなく、「別の何かから男になった」からなのではないでしょうか。もっと言えば、女も同じで、ただ「別の何か」の特徴を強く残した性が女だったということだと、私は考えています。 発達過程の未成熟な子ども達は、遺伝子によって分化がされている状態ですが、「別の何か」に近い状態でもあり、そこから「男」や「女」になっていくのでしょう。
また、前の台詞を語った一人は、「世界は女のものだった」とも言います。現在の社会が、男性社会であるということや、それが引き起こしている争いがあるということには私も同感です。ただし、社会を女性のものにするべきとは思えません。
昨今の日本の女性議員や女性の経営者の方々が成功しているようには、見えないからです。非難したいわけではなく、男性社会の中で凄く努力をされているんだろうと思うのですが、少し違う気がします。全員とは言いませんが、ただ男性の真似事をしているように見えるのです。女性を武器にして、男性の仲間入りをするという何だかよく分からないことをしているように感じます。
こういうことは、「男と女」に囚われているから、問題なのではないでしょうか。たしかに、この二つの性により、多くの違いはあるけれど、この二つの性にこだわるほどのことでしょうか。
この作品を改めて読んで、この結末、主人公やその周りの人々の選択に、そういうことへも思いを馳せさせられました。

天使だけでなく、ラブコメも!【学園ベビーシッターズ 16巻】<感想>

みんな相変わらず可愛い...。お腹のぷっくり感が凄く可愛いと思うんです!
あと、この天使な幼児たちの周りの高校生&大人たちも可愛い...!
16巻は、イチゴ狩り回(87話)、狸塚双子喧嘩(88話)、蛇原先生かき氷回(89話)、おままごと回(90話)、蝉&花火回(91話)です。
お父さん達に萌えたければ、88話と89話、犀川さん好きなら、87話と90話、高校生達のラブコメを見たいなら、90話をオススメしますっ!
天使たちのキャラの豊富さはもちろんなんですけど、保護者達もいろんな人居るの嬉しいですよね!泣き虫な恒介さんも強面な蛇原先生も萌える...!二人とも息子さん達とそっくりですね!www
高校生達の恋愛要素も、じんわり進んで行くのがワクワクする...。今回もおままごと回がね...。私は最初ゆきちゃんを応援してたけど、まりあちゃんも可愛いんだよね!てか、この回で祖父母役をするまりあちゃんと隼くんが真面目で萌えるwww
また、学園ラブコメが好きなら、巻末に読みきりの「ハツコイ日誌」もオススメです。
育児系ではない青春ラブコメで、『天使たち出てこないのかよー』って、ガッカリしたけど、普通に良かったです...。無口少女と女子苦手なヤンチャ系男子...尊い...。サブキャラの沢城くんもカッコよくて、これが連載作品になっていても、人気は出てたんじゃないかと、時計野はり先生の凄さを実感しました...。

ドラマCDも予想以上に、ぴったりのキャスティングでした♪めっちゃ脳内映像の再生余裕でした!特に、前野さんの兎田と種﨑さんのかずくんが、想像通りでした!!古木のぞみさんのこたも、「ありがと」もすっごい脳内でこたの笑顔浮かんで、すごいなぁって、思ったんですけど、おまけコメント集がヤバイwwwwwwすんごいテンパってて、落差が凄いwww
おまけコメント集は他の人たちのも結構面白いエピソード聴けるので、是非☆

LaLa2月号もドラマCD聴きたさに買ったもののまだ聴いてないけれど、期待が高まってます!!!
また、17巻はサンリオコラボトートバッグ付きだそうで、販促に釣られるの悔しいけど、また買っちゃいそうです...。

2018年1月5日金曜日

マガネちゃんが好きなら...【築城院さんハシャギ過ぎ 1巻】<雑感>

2017年の4~9月放送された「Re:CREATORS」っていうアニメのスピンオフです。スピンオフといっても、敵役のひとり、築城院マガネ(カネがスマホの変換で出ない><)ちゃんに焦点を絞った作品です。

2018年1月3日水曜日

今月は三角四角関係多め【別マ2018年1月号】<雑感>

先々月(12月号)に「君に届け」が終わっちゃったけど、まだ面白い作品の連載は続いてるので、引き続き購読しちゃう!
 
完結に記念企画のスペシャルトリビュートで、別マや集英社以外で連載してる作家さんも参加されてて、びっくりした...。でも、私は別マ連載陣の爽子たちが好きです...。なんかこう...ちょっと雰囲気が違う!あと、河原先生の裏話面白かったwww

「テリトリーMの住人」、「恋を知らない僕たちは」、「あたしの!」、「てをつなごうよ」は、ちょっと前から三角関係始まってたけれども、
「ふしぎの国の有栖川さん」も今回の16話で野宮くんと噂のあった元クラスメートが出てきて、ワクワクする!
今回は、有栖川さんが周囲からのイメージに対する野宮くんの気持ちを考えるっていう話でもあって、私は凄く好き!有栖川さんホントいい子!私もこういう風な恋愛が高校の頃に出来ていればなぁ...

「有栖川さん」に比べて、「あたしの!」のあここはド直球!幸田もも子作品らしい主人公なんだけど、今作では親友の充希が主人公の隣で、友情と恋愛の板挟みになって、揺れてるのが良いよね!!!
今回、ついにあここの前で、直己のことが好きなのを認めたからね!でも、直己くんには素直になれない充希...ヒューッ!可愛い!最初はなんだコイツって思ってたけど、好き!こういうキャラ好き!!
...って、思ってたら、あここが告白する展開...!幸田先生まぢパネェ...

「てをつな」は、小豆への嫉妬が高まってきた...。
美月くんをキープしたまま、千花ちゃんとイチャイチャしてるように見えて...。美月くん可哀想!私が美月くん貰うぞ!!
今まで、我慢してた千花ちゃんのことを思うと、うーん...ってなるけれども...
美月くんもボヤボヤしてるから、小豆を取られちゃうんだよ!!!

あと、三角関係ではないけど、
「素敵な彼氏」もよかったー!
桐山くんカッコいい!表情変わんないのに!カッコいい!なんかあのクールさがクセになる(笑)
今回(23話)は、 前回(22話)で登場した女の子の話です。
百合キャラかなって思ったけど、違った!別マじゃなくて、別の雑誌なら、きっと百合キャラになってた!でも、そうだと少し現実味が薄れるもんね...。

それから、「バイバイリバティー」が完結しちゃった...。
個人的には、前作の「オオカミ少女と黒王子」に比べて、ちょっと物足りなかったんだけれど、
この最終回での、理奈とお母さんの関係が凄く好き!そういえば、「オオカミ少女」のときも、親子の話好きだった...。私は八田先生の描く母娘が好きなんだって気づきました!
なので、次回作でもそういうのが見れたら、嬉しいです!!!
 
完結作や人気連載について、書いたけれど、新連載も良かったのです。

連載スタートになった「ダサ彼!!」...。城先生は、今までもギャグ漫画描かれてたけど、今回ヤバイ...
ギャグなのに、シリアスめな温度感なシュールコメディー...そして、イケメン彼氏のかっこよさは、よく分からないのに、面食い主人公のイケメンさが際立つ...オチもちゃんとあるし、ホントに最高のギャグ漫画ですwww

そして、もうひとつの新連載、「YOU MY BABY」!
女の子されないボーイッシュな女の子と、背は高いけれど優しい男の子のお話です。
主人公の女の子は、男の子の女の子への態度にいろいろ不満があって、しかめた顔をしている場面が多いんですが、ラストのお礼を言う場面は凄く可愛いです!
恋する女の子の顔です!!ともすえ葵さんの他の作品も探してみようかな...

ラノベと侮るなかれ!【θ 11番ホームの妖精】

「鏡仕掛けの乙女たち」と、続編の「アクアリウムの人魚たち」の両方を読み終えたので、感想を...。
スワロウテイルシリーズの揚羽が風に翻弄される蝶々だとすれば、θのTBは風車という感じで、争いの中に身を置いている訳ではないけれど、いろいろな思惑に振り回される主人公です。なので、スワロウテイルのときより、日常感が強い話になるのですが、それが逆に政治や社会に関する要素を際立てています。
要するに、ラノベだと思って侮って読むとワケわからなくなる場面は多いです!未来の科学技術の設定なんかは、SFならではの楽しみなんだと思うけれど、やっぱりムズカシイ...。
ただ「アクアリウムの人魚たち」に収録されている5話の冒頭で、静樹くんが語る「四種類の人間」は凄く興味深いです。四種類の内の一種類、「ファッション感覚」で多数派の認める意見を選ぶ人々を「正義の味方型」と称しているんですが、ヒーロー好きな私としては、解せぬ...。
でも、確かに時代によって「正義」は変わるものかもしれないし、多数派に認めてもらうために振りかざす「正義」もあるのかもしれないけれど、それをひと括りに纏めてしまうのは、違う気がする...。けど、ヒーロー達だって人間なんだから、承認欲求があるのでは...?でも......と、悶々と考えさせられました(笑)
作者の藤真さんが、人工知能をテーマに扱われるのは、こういう人間社会での善悪への問題提起の意味もあるのかなぁと思います。
θはこの後、続編が出るのか分からないけど、関連した話を書かれているそうなので、読んでみようと思ってます。

2018年1月1日月曜日

前回よりも動物について考えさせられる【先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!】<感想>

前回の「巨体コウモリ~」よりは、やや行動学や環境に関する話が多かったです。
タイトルの「シマリス」の行動は蛇の臭いを体につけることで、 ヘビに対してのみ行われる身を守る術なのだそうです。ヤギや人もヘビには敏感な話も合わせて考えると、ヘビが動物の中で特別な存在なのではと思いました。
聖書でイブを唆した動物がヘビだったことも、ヘビの危険さを表しているのではないでしょうか。「神社の肉食動物」が自然の危険と畏敬の念を表しているという話と通じるところがあると思います。

丁寧なフィナーレ...【バイオーグ・トリニティ 13巻】<雑感>

凄く丁寧に結末に向かって行った後の「結末」が最高だった...。
委員長ありがと!