2020年4月8日水曜日

凡人の悩みに優しい怪談漫画:地縛少年 花子くん《1-12巻での感想》

現在、アニメも放送中の学園怪異譚。
怪談やバトル要素もあるけれど、基本的には学園コメディー漫画です。
可愛らしい絵柄でなのですが、冒頭の怪談演出がドキドキする描かれ方で好きです。
ただ無闇に怖がらせる話ではなく、登場人物たちそれぞれがいろんな背景を抱えているのが、この作品の魅力です。
人からすればただ恐ろしいことが、怪異にとってやむを得ないことだったり、怪異にも大切な人がいたり...。
また、客観的には劇的ではないことが、事件の中で中核を成しているような話もあります。
例えば、1話のやしろは、ひとりよがりな努力故に相手に伝わらず、空回って、結果呪われてしまうのですが、こういう客観的には自業自得な失敗は、誰しも経験があることです。
この作品の1話では、ただそれを否定するのではなく、受け止めた上で、読者に反省させる機会をくれます。
他人から見たら、大したことでなかったり、自分の我儘で必要以上に他人を傷つけてしまったり...
そういった話を、他人の気持ちを理解出来る主人公の視点から描くことで、優しい怪談漫画となっています。

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