2020年6月8日月曜日

下品だけど先進的...?:おカマ白書《感想》

おカマ白書というからには、いろんなオカマ達の話かと思いきや、

酔って女装した大学生が、自分(♀)に一目惚れ!勤め始めたオカマバーで、自分(♀)にそっくりな子に出会う...》という、とんでも漫画です。
厳密に言えば、おカマというか、女装子のお話。

登場するオカマたちは、基本的にみんな『おじさんみ』に溢れていて、欲望に忠実です。
なので、終始下ネタが凄い...
「男の欲望」も生々しく描かれ過ぎていて、下ネタや性欲といったことに不慣れな女の子には薦めづらい作品です。

しかし、下ネタの多いギャグコメディ作品というだけでなく、人間ドラマもしっかり描かれています。

ヒロインは女の子なので、実際、異性愛の話なのですが、主人公が女装子である故の秘密や葛藤が、盛り沢山で、いろいろと拗れて行く様子が面白いです。

また、「女装した自分に惚れる」という部分についても、しっかり掘り下げて描かれているのが、凄く良かったです!
恋愛に限らず、人間関係の中で問題になりがちな、「自分への愛」の描き方として、凄く面白かったです。
同性愛、異性愛関係のない問題な上、こういった表現をとられたことで、読者のLGBTsへの差別意識の低下に繋がるのではないかと思います。
冒頭として斬新なだけでなく、この作品が他の作品と差別化される大きな要素といえます。

また、驚くことに、この作品は1990年4月5日に第1巻が刊行されています。
つまり30年も前の作品なのです...。
未だに同性愛パートナーに関する問題は山積みですが、LGBTへの理解に繋がる作品の1つとして、オススメしたいです。

ただ2020/6/8現在、紙の書籍では新品で揃えるのが難しく、3巻は楽天には中古しかありません...
電子書籍もありますし、クーポンやセールを駆使すれば、半額やそれ以下で手に入ることも出来るかと思うので、是非是非読んでみてください。


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