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2018年12月2日日曜日

中学生とそのご両親へお薦めしたいミステリ【探偵は教室にいない】《感想》

第28回鮎川哲也賞受賞作です。

本音を言えば、序盤は物足りなさを感じました。
でも、読み終わってみれば、中学生らしいキャラクターと中学生らしい悩み、推理小説というジャンルに自然に落とし込んだ、とても素敵な作品でした。

取り上げられているテーマは、誰もがどこか心当たりのあるような話から、時代にあった「今の中学生はこんな感じなのかなぁ」という出来事まで、幅広く、どれも優しく描かれています。
大人が読んでも楽しめるとは思いますが、私は登場人物達と同世代の小中学生、そして、そのご両親にオススメしたい作品です。

2018年11月26日月曜日

心の積み重ね【風牙】《感想》

「ランドスケープと夏の定理」とともに第5回創元SF短編賞を受賞した作品「風牙」を含む4つの作品が収録されています。
「ランドスケープと夏の定理」感想⇒★

あちらが宇宙をテーマに人間知性を描いていたのに対し、こちらは記憶や人格、心といった部分を軸に人間を描かれています。
例えるなら、マクロとミクロといった感じです。

2018年11月21日水曜日

綺麗というより人への信頼【ランドスケープと夏の定理】《感想》

第5回創元SF短編賞受賞作で表題の作品「ランドスケープと夏の定理」から始まる3部の短編です。
「風牙」という作品も同時受賞しています。
雰囲気は違いますが、こちらもお薦めです。
感想⇒★

作者の高島雄哉さんは、東大理学部物理学科と東京藝大を卒業されているという、滅茶苦茶 インパクトのある学歴の持ち主です。

2018年9月22日土曜日

恋愛モノだと思うじゃん?でも...【ねじまき片想い】<感想>

奥手な玩具プランナーが片想いながらも、悪戦苦闘するお話です。
ストーカーになる一歩手前レベルで奮闘する彼女に呆れつつも微笑ましく思いながら、少し疑問がありました。

2018年9月14日金曜日

アガサ・クリスティな近未来ミステリ群像劇【グラスバードは還らない】<感想(ネタバレ控えめ)>

「ジェリーフィッシュは凍らない」に始まる<マリア&蓮>のシリーズ、第三作目。

前二作とも、鮎川賞受賞作というかなり凄いシリーズで、気になっていたので、まだ既刊の二作を読んでいないのに、つい買ってしまいました...。
でも、後悔はしてません。
東大出身の作家さんというのは、伊達じゃないです...。

推理トリックも、物語も、滅茶苦茶作り込まれていて、エピローグになるまで、私は事件の真相が分かりませんでした。

<以下ややネタバレあり>

2018年7月3日火曜日

不気味なタイトルだけど美しい本格ミステリ【屍人荘の殺人】<感想>

今村昌弘さんのデビュー作にして、数々の賞を受賞されている2018年話題だったミステリー賞です。
(『第27回鮎川哲也賞』、『このミステリーがすごい!2018』、『週刊文春ミステリーベスト10(第1位)』、『2018本格ミステリ・ベスト10(第1位)』『本屋大賞2018(第3位)』...)
こう列挙してしまうと、凄く華々しい作品のようですが、私はゆっくり落ち着いて読んで欲しい作品だと思いました。
「屍人...」という不気味なタイトルながらも、切なくて虚しくて美しい本格ミステリなのです。
 
推理小説には、殺人はつきものですが、あまりポコポコ起きると命が粗末に扱われているような気がしてしまいます。
が、この作品はそれぞれの故人に対する想いが丁寧に描かれています。
死んでしまって終わりではなく、それまでの関係から、登場人物それぞれがいろいろと想いを抱いている様子が好きです。
どのキャラにも物語の中で描かれていない「人生」があるのです!
また、探偵役の比留子さんの体質も、作者が命を大切さを忘れないように感じました。

事件の真相は切なく虚しいけれど、そこがまた美しい結末でもあります。
故人への様々な想いがあると、先程書きましたが、どんなことでも、人それぞれ感じ方は異なるということを深く考えさせられました。
物語展開も登場人物も好きなので、是非、シリーズ化して欲しいです!

また、単行本は「第27回鮎川哲也賞」の選考経過や、選評が載っています。
個人的に加納朋子さんの選評が読みやすくて、分かりやすかったです。
ある程度のネタバレが平気な人は、選評を読んでから、どの「鮎川哲也賞候補作」を読むか選ぶのもありだと思います。

2018年5月16日水曜日

今度はオズの国【ドロシイ殺し】<感想>

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メルヘン殺しシリーズ第3弾はオズの国です。
私は、今回こそは犯人を当てようと意気込んでいたのに、
全く分からず、推理をするどころか、ビルと一緒にビックリする羽目になりました...(笑)