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雰囲気は違いますが、こちらもお薦めです。
感想⇒★
作者の高島雄哉さんは、東大理学部物理学科と東京藝大を卒業されているという、滅茶苦茶 インパクトのある学歴の持ち主です。
作品の内容も、凄すぎて、「頭の良い人はやっぱり違うなぁ...」と圧倒されました。
宇宙や知性に関する研究についてSFなのですが、正直、緻密なSF設定が素人的には凄く難解でした。
ただそこが、リアルで、魅力的なところでもあります。
リアルだから、難解なのです。意味が分かると、ワクワクします。
それに、分からなければ、最初は何となくで読み進めてしまっていいと思います。
この作品は、作者のあとがきと堺三保さんの解説がついているので、何となくで読んでからでも、あとがきで作者の視点を得て、解説でSF世界観を理解できます。
そして、もう一度読み直すと、より美味しいです。
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私は古典SF作品に疎く、難しい話もじっくり読まないと分からなかったのですけど、それでも、この作品を楽しめたのは登場人物たち関係が魅力的だったからです。
お互いに相手のことを分かっていないけど、分かっていて、信じているけど、疑っていて、それでも大事に想っている…
それが、綺麗にではなく、ざらついたような現実味の強い雰囲気で描かれています。
“綺麗な世界”というより、“人類の善性を信じた作者の描いた世界”という印象を感じました。
解説にて、堺さんが書かれている『「知性」に対する大いなる信頼』という言葉にはそういった側面も含まれているように思います。
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