2018年5月15日火曜日

どこか愛しい【キネマトグラフィカ】<感想>

自身も映画会社に勤めてらしたという古内一絵さんによる、映画会社のお仕事小説。
入社から約30年後の同期会で再会した彼らがそれぞれの視点で入社して数年後の「ある頃」を思い出すという話です。
正直に言うと、はじめは登場人物たちの年相応とも言える悩みや、昔を少し懐かしむような雰囲気、一言でいえば、リアルな「普通」な部分に物足りなさと少しの不快感を感じてしました。
しかし、読み終わった今、彼らを愛しく感じます。彼らが少し勝手だったりするのは間違いないのですが、そういう表面的な部分の裏で、自身のそういった部分をちゃんと自覚していたり、表面には見せていない葛藤があったりするのです。
人の欠点や短所は、生来の部分と、環境による部分があります。
どちらにせよ、短所を自覚しているのなら、私は受け入れられる気がします。 欠点は「大人になると直しにくい」と言いますが、こうやって付き合って行くのが、大人の欠点への対処法なのかと思いました。
読後、少し心に余裕を持って生活出来そうな気がしています。

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