2018年5月16日水曜日

優しくて暖かい悲劇【ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。】<感想>

第142回直木賞候補作。
母親殺しの容疑者となった親友の行方を追う話です。
その中で、主人公が彼女を追う理由、また主人公自身の抱える問題もどんどん浮き彫りになっていきます。
母娘の関係を巡る話を中心に、20代女性の悩みが取り上げられています。
私は辻村さんの描く母娘関係はあまり好みじゃないのですが、ハラハラして、つい読んでしまいます。ハラハラさせられるだけでなく、ちゃんと落としどころもあるのが魅力なのかなぁとも思います。
また、状況や結末を単純に見ると、悲劇的な話です。救いはあるものの、悲しみや絶望のある結末です。
しかし、それを優しく暖かく、描かれています。ハッピーエンドとは言えないハズなのに、そう言いたくなるラストです。
あと、タイトルの意味は、割りとシンプルです...。だからこそ、ネタバレはしたくない...。
是非、読んで知ってください!物語の中で知るからこその意味があるんです!!私はちょっと泣きました。

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