2018年5月27日日曜日

戦後の話なのに可笑しくて堪らん【あたらしいエクスプロージョン】<感想>

去年の3月に浅草九劇で行われた舞台の脚本です。
第62回岸田國士戯曲賞受賞作品の1つだそうです。
著者の福原充則さんは、連続ドラマ「視覚探偵 日暮旅人」の脚本も執筆されている方でもあります。
戦後すぐ、GHQの影響下で映画を撮ろうとする人々を描いた話です。
死と隣あわせながらも、必至に今を生きようとする人々を、誠実かつ、滅茶苦茶コミカルに描かれていて、凄く面白かったです。
少数の役者さんが一人数役にて、演じられているのですが、それを最大限に活用した演出が凄く面白いです。
風見鶏のようにクルクル変わっていくのが可笑しくて堪りませんでした(笑)

でも、そのコミカルさにも、戦争や死がすぐ隣にいることが、私にはとても印象的でした。
あとがきにて、福原さんのお祖母さんや叔父さんの話がモデルになっていると知って、腑に落ちました。
戦争のことを後世に伝える舞台だったんだと思います。
同じくあとがきで、古本屋さんが好きで、読まなくなったら、古本屋さんに...とも書かれる福原さんの言葉は、後に伝えて欲しいという気持ちも含んでいるのかもしれません。

今回、初めてちゃんと触れた作家さんなのですが、今後も作品が楽しみな作家さんの一人になりました。

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