2020年8月29日土曜日

息もつかせぬ最終ショー!:トクサツガガガ【最終20巻 感想】

一言で言うなら、「特撮は良いぞ」という1冊。

最後なのに客足乏しいショーと、頑なダミアンを動かそうとする展開の、同時平行は滅茶苦茶に熱かったです...。
手に汗握る展開というだけでなく、ギャグを細かく挟んで来ます。
ただの“良い話”に収めずに、現実的な考えや現金な理由が描かれるのも、大好きです。
よく“結果より過程”やその逆を言うことがありますけれど、私はそんなに単純ではないと思っています。
“結果”には“過程”をこなしたということ自体も含まれているはずです。
ダミアンくんが頑なな理由は、“結果が決まっている”ということです。
それに対するこのショーの展開は、熱いです。
言葉で伝えにくいことが、凄くしっくりくる感じに表現されています。
(あと、やっぱり主催者的には仲村さん達に大感謝だと思います!)
今回の話に限らず、この作品は“結果は勿論大事だけれど、それにこだわらず、とにかく行動してみることで得られるものもある”ということを描かれていたように感じました。

また、主人公の仲村さんへ感情移入しやすい描写も引き込まれるポイントでした。
オタクだから...ということもあると思いますが、彼女の“心の声”が適度に丁寧かつ、コミカルなため読みやすかったからだと思います。
撮影後、シシレオーと握手する場面で、泣きそうでした...。

プロローグ的な話も最高で、最終回だけど、寂しさより、満足感が大きいです。
あと、タッ君さんは絶妙な笑いのスパイスでした...。
初登場時は、こんなに登場するだけで面白いキャラだなんて、思わなかった...。

それから、特装版の小冊子も滅茶苦茶濃かったです。
まず、情報量が多いです。
もうちょっと軽めの設定&イラスト集かと思いきや、雑誌並みにぎゅうぎゅうに詰まってます。
間に広告っぽく挟まれるネタも見どころです。
 
そして、作者の対談が3つあります。
ウルトラマンオーブの田口清隆監督、紙付録の村山孝幸さん&福村一章さん、そして特撮女性スタッフ対談として荒川史絵監督と脚本家小林靖子さん。
以前、スピリッツに掲載されたものだそうですが、私は読んだことなかったので、ありがたいです。
本編をちょっと読み返したくなる話がちょくちょくありました。
田口監督との話は、特に「おっ?」となります!



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