2018年12月25日火曜日

「スロウハイツ」関係なしにも!【V.T.R.】《感想》

辻村深月さんの「スロウハイツの神様」の外伝です。
外伝と言っても、「スロウハイツの神様」の話ではなく、登場人物の一人、チヨダ・コーキのデビュー作として書いた話となっています。
なので、物語の中に直接「スロウハイツ」のキャラクターが登場することはありません。
でも、作品の作品を体験出来るのは、凄くワクワクしました。
チヨダ・コーキ作品の想像があっているか確かめる面白さもあります。

そして何より、登場人物達の心情に近づけた気がします。
解説を同じく「スロウハイツ」の登場人物の一人、赤羽環が書いたということになっているのですが、彼女の想いがより強く感じられて、少し泣いてしまいました。
他にも、チヨダ・コーキ作品としての作品紹介、著者紹介にもページが割かれるなど、手が込んでいるのも面白かったです。

「スロウハイツ」の世界観と登場人物に迫るには必読の作品です。

また、「スロウハイツ」関係なしに物語としても、充分に面白かったです。
ただ、殺し屋の話な上に、やや捻ったストーリーなので、好みは大きく分かれると思います。
「スロウハイツ」を読んで、チヨダ・コーキ作品が好みだと思ったら、オススメします。
私は好きです。
伏線がたくさんある他、真実を知ってるかどうかで感じ方の違う部分もあり、何度も読み返したくなる話です。

あと、解説でちょっと出てくる「王子監督」は、辻村さんの「ハケンアニメ」という作品に登場します。
アニメ業界が舞台で、雰囲気は「スロウハイツ」とかなり異なり、職業小説ですが、これも面白いです。

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