2018年2月18日日曜日

「うさぎ」さんも「鬼」でした【うさぎが鬼に会いに行く】<感想>

作家の中村うさぎさんが殺人「鬼」や「鬼」才と対談するというテーマで、「実話BUBKAダイナマイト」と「実話マッドマックス」という雑誌に掲載されていたインタビュー記事に後日談を加わったものです。
私の好きな作家さんの一人だったので、手にとってみたのですが...
予想以上の内容でした...。
インタビュー相手の「鬼」は、一見そこまでブッ飛んだ人ではありませんでした。逮捕歴、服役歴のある方も数名いますが、不起訴だったり、既に出所されていたりします。
それでも、殺人&食人経験のある人や、赤軍関係者、死体写真家、AV監督...と、かなりインパクトのある方々です。
そういった「異形」の人達との対談の合間に綴られる彼女の想いは、「深淵を覗く」故に、異質な雰囲気があるのだと思って、読んでいました。しかし、読み進めるごとに、彼女の考え方が一般的な「良識」から離れていって、彼女自身の語るように、彼女自身も「鬼」なのだと理解しました。
特に死体写真家との対談の際の彼女の感覚に驚愕しました...。死体の写真が見たいなんて...。
ただセックスの時に、脳が死んだ状態になるという話は、興味深いです。また、脳科学関連の本を探してみようかな。
考え方には少し理解し難い面もありましたが、彼女の悩みは共感できることも少なくありません。でも、どちらも彼女の一部分なのでしょう。そう思うと、このエッセイは中村うさぎさん自身の多面性を生々しく綴られた、実にリアルな作品だと思います。
また、有名なマツコ・デラックスさんにもインタビューされています。マツコさんとの話は、他の人のときよりも、弱気な雰囲気になっているギャップが面白いです。
10年くらい前の作品なので、マツコさんの写真も若いです(笑)でも、インタビューの様子は、やっぱりマツコさんでした。
お二人の対談本のようなモノもあるようなので、また探してみたいと思っています。

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