2018年4月12日木曜日

笑えて泣ける殺し屋小説【AX】<感想>

2018本屋大賞ノミネート作品のひとつで、また伊坂幸太郎の人気シリーズ<殺し屋シリーズ>のひとつです。
殺し屋シリーズは全部読んでなくても、楽しめるのが、魅力だと思います。シリーズ作品ではあるものの、ひとつひとつの話が完結しているので、無理して、全ての話を読む必要はありません。気になるあらすじや、好きなキャラクターがメインの話だけでも、充分楽しめます。
今回は、優秀な殺し屋なのに、恐妻家な「兜」の話です。妻の顔を伺う家庭での彼の日常が、すごくコミカルに描かれています。
家族について、かなり重点を置いているところが、ポイントです。
兜は、とても良い夫で、父親としてもそれなりに頑張っている様子が健気です。また、息子もそっけなくも、優しいし、両親をよく見ているし、奥さんも兜を見てると憎めないし...読み進めるごとに好きになってしまう家族でした。彼が殺し屋なのを忘れてしまいそうになるほどに...。
笑えて、考えさせられて、泣けて、スリリングな見せ場も有り!という最高な小説でした。殺し屋の主人公とはいえ、彼の信念は「悪」ではないし、読後感もスッキリです。
メッセージ性もありますが、面白くて、読みやすい、娯楽としても凄く優秀だと思います。
大衆小説というのは、こういう作品のことを言うんだろうなぁーという印象の作品です。
ファンタジーほどではないけれど、非日常なフィクションを読んで息抜きしたい人は是非どうぞ☆

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