2018年4月25日水曜日

対称的なアラサーコンビのスリル満天なエンタメ【キャプテンサンダーボルト】

ヤンチャなまま大人になってしまった相葉と、真面目で家庭も持っている井ノ原という対称的ながらも、ともに野球をしていた二人の男性が再会し、とある陰謀に巻き込まれるというアクションエンタメ小説。阿部和重さんと伊坂幸太郎さんとによる合作だそうです。
主役二人が真逆なのが面白いところだと思いました。性格だけでなく、行動へ
駆り立てる理由も対称的なのです。
相葉は過去の自分の選択やそれによる母親への負担をずっと後悔しているのに対し、井ノ原にとっては息子が生活の中心、つまり未来を見ているといえます。
この視点の違いと、それぞれの個性が合わさって、キャラクターに奥行きを感じました。
物語展開も絶妙でした。
伊坂幸太郎さんらしい感じで、エンタメ小説といえば、やっぱりこの人だと思います。
そして、これは阿部和重さんとの合作でもあります。
ただ、私は阿部和重さんの作品は初めて読んだので、こちらについてはあんまりわかりません。けれど、また別の作品を探そうと思っています。

また、私は文庫版で読んだのですが、下巻のボーナストラックが好きです。
そして、巻末の佐々木敦さんによる解説に、いろいろとネタについて書かれています。私はいくつか気づかなかった話がいくつかあり、感嘆しました。
これから読む方は、文庫版がおすすめです!!!

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