2018年4月24日火曜日

猫好きもそうでなくても楽しめる【猫が見ていた】<感想>

湊かなえさん、有栖川有栖さん、柚月裕子さん、北村薫さん、井上荒野さん、東山彰良さん、加納朋子さんという7人の作家さんによる猫のアンソロジー短編!
そして、澤田瞳子さんの猫小説傑作選が巻末に載っています。タイトルだけは知っているけど、猫の出てくる話だったんだぁという作品もいくつかありました。
7人7色のいろんな猫小説で、面白かったです。

湊さんは今までのイメージと違って、穏やか猫目線での話でした。それだけ猫愛が強いということでしょうか?
もしかしたら私が知らないだけで、何か別の話のアナザーストーリーだったりするのかな?

有栖川さんは「火村先生」のシリーズ、「作家アリスシリーズ」です!猫も出てくるけど、いつもの感じの推理小説です。
湊さんとは対照的にブレない感じがまた良かったです!!!

柚月さんの話は、やや哀しめ...。
親子の話が好きな私だけど、これはちょっと重い...。切ないというか、なんというか...。

その後の北村さんの話の方が好きかもしれない。恋愛の小説だと思うけれど、恋愛小説としては書かれていないし、そんなことは起こってなくて、起きる気配も描かれていないのが、面白いのです。ちなみに猫も出てきません!(笑)

井上さんの話も恋愛が物語の中で重要だったりします。ただし、不倫...。
そんな主人公と全く異なるある女性との対比が、新鮮で面白い作品です。

東山さんは台湾生まれの作家さんだからか、台湾が舞台の話。
子ども目線で語られるからか、世界が鮮やかに感じます。行ったことのない国なのに、目に浮かぶようでした。
子どもらしい視点も面白いです。

ラストの加納さんの話はラノベ的というか、今風というか、ダメな男性が主人公でボーイミーツガールな要素もある話です。
全体的にも何とも言えない空気があります。また、これにも親子の話がありますが、この親は嫌いです。特に母親が。でも、作品としては、好きです!

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