2018年11月19日月曜日

アニメ聖地とビジネスについて考えさせられる1冊【コンテンツが拓く地域の可能性】《感想》

コンテンツツーリズムについての本です。
アニメの聖地として、成功した鷺宮、秩父、大洗の三つを具体的な事例として書かれています。
それぞれ「らき☆すた」、『秩父二部作(「あの花」「ここさけ」』「ガルパン」の具体となった地域です。

私もアニメは好きで、旅行先が好きなアニメの舞台だったりすると、舞い上がってしまうタイプですが、「アニメで地域おこし」というと金儲けの印象を強く感じてしまいます。
この本は。ファンにはそういう印象を抱かせずに楽しませ、かつ地域も盛り上げ、製作者も利益を得るにはどうすべきかという視点で語られています。


結論を一言で言ってしまえば、“三方(製作者・地域・ファン)がそれぞれを思いやることが大事”という話です。
当たり前ではあるのですが、納得しました。
「アニメで地域おこし」という言葉に、反感を感じてしまうのは、作品やファンへの思いやりというか、気持ちがあまり感じられないからなのだと思います。
 ただ、この気持ちというのは、作品を知っているかどうかではなく、どうするのが三方お互いにとって良いかということです。

前述の3つの地域を成功例として、具体的な話がいろいろと書かれているので、コンテンツ製作に携わる仕事をしている方は、一度読んでみると参考になるかもしれません。
アニメコンテンツの事例を主に取り上げられていますが、他のジャンルの作品に関しても、関係のある内容に思えました。

また、聖地巡礼を行うファンとして読んでも、損はないです。
最初に、コンテンツツーリズムを含めた専門的な話や統計的な話があり、やや難しいですが、事例の話は面白いと思います。
巡礼のファンへの地域からの印象について、反省させられるところがあった他、普段アニメを見ないのに、舞台となったことをキッカケに作品を楽しんでいる人たちもいて、何だか泣きそうなくらい嬉しく思いました。

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