2021年7月18日日曜日

戦争の加害者と被害者:怪物事変【13巻 感想】(ややネタバレ)


表紙の通り、今回は紺が大活躍の話ですが、個人的に刺さったところの感想を書きたいと思います。
まず、冒頭48話。
赤城さんと楓くんに屋島が襲撃される様子が描かれるんですが、この話の中で、彼らと襲われる側と両方を丁寧に描かれているのが、見どころだと感じました。
赤城さんのここまでの想い、楓くんと組むに至るまでの回想と彼への想い。
これは、理解できる人もいるのではないかと思います。手段は置いておいて、彼をただ非難するのは、しのびない...
そうやって、悪役を掘り下げる一方で、(戦争というには大袈裟かもですが、)被害者側、大蛇の一族の生き残り、いちごちゃんの心理描写もしっかり描かれているのが、私は嬉しかったです。
環ちゃんといちごちゃん以外はみなごろしにされているのですから、彼女の怒りも当然。その怒りと憎しみは、読んでいるだけでも興奮が伝わってきます。
また、そこに現れる紺も実は飯生に仲眞をみなごろしにされていたという点も秀逸です。

あと、50話で大三郎が伊予ちゃんに屋島の惨状を見せないようにするところは、賛否ありそうに思いました。
ただ、彼女の性格を考慮した上で、みんなを導くための彼女の笑顔を守るためには、仕方のないことなのかなぁとも感じます。
ちょっと政治のような印象も受けて、私ももう少し勉強しないといけないなぁと思いました。

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