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このタイトルにふさわしくて、優しい結末だと思いました。
苦しい人生のお話です。
“死にたがり”じゃなくなり、“食人鬼”じゃなくなることで、二人の物語が終わるというのは、切なく美しいと思いました。
でも、出会ったことで、お互いに変わって行けたのに、この結末はやっぱり哀しいとも思います。
“普通じゃない”ことと“トクベツ”については、いろいろと考えてしまいます。
何がダメだったんだろう。
罪が重いからだろうか。償う道もあったんじゃないだろうか。余命が短く、そんな時間はなかったんだろうか。
それとも、やっぱり早くから、特殊な彼を受け入れられなかったことだろうか。
.........
また、あきらくんはどういうつもりだったのだろう。
心の底で、殺されることを望んでいたのだろうか。
それとも、ただただ魅いられて、惹きつけられるように、殺されることを望んでいたのだろうか。
落ち着いて、知的に振る舞う彼の殺人は、少し矛盾しているようにも、感じられるのです。
色人の「優越感」とは違って、言語化出来ない何かがあったのかなぁと思ったりします。
色人の場合は、そこのところが凄く分かりやすく、苦しいです。が、同時に向き合うことも出来ます。
そうやって向き合い、選択した彼にだからこそ、こういう結末を描かれたのかなと感じました。
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