2017年10月9日月曜日

純文学ってこういうものなの?【影裏】(感想<ネタバレ注意>)

第157回芥川賞受賞作品です。
震災の頃の岩手を舞台に描かれています。

ただ、個人的にはあんまり好きな作品ではないです。
言い回しがやや文語的で難しく、感じも読み慣れない難しい字が多く、読みづらかったです。日本語の美しさを表現するのが純文学なのかもしれないとも思ったのですが、普段純文学作品を読まないので、それも読みづらく感じました。
また、混乱しつつも、面白く感じたのは、主人公の性別に関する描写です。前述のように、やや堅めの語り口で、また釣りが趣味と出てくるので、最初は40代前後の男性を想像していたのですが、途中で出てくる元恋人の名前が男性...。また年齢も31歳と分かったものの、30代の女性にしては堅い口調だなぁと、思っていたら、主人公のフルネームが出てきて、こちらもやはり男性!その後、元恋人が性転換手術をしていると話に出てくるので、「彼女」がトランスジェンダーだったか、主人公がゲイだった、もしくは両方だったということのようです。ここをあまりハッキリ書いていないのは、やや物足りなくも感じるのですが、作者は恋愛を男女間だけに成り立つのが当たり前ではないということを表現するために敢えて、深く掘り下げていないのかもしれません。

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