2018年3月12日月曜日

現代のヒロインを描いたファンタジー【真実の魔術師】<感想>

紙の魔術師シリーズの第三作目。完結巻です!
1部と2部での冒険を乗り越えた上での主人公シオニーの「戦い」が描かれています。
見習いを経て、魔術師の最終試験を前に、社会・家族との関係への葛藤は、現代の社会で教育を終え社会人へとなっていく人たちにも当てはまることのように思います。
ファンタジーとはいえ、そういう部分を表現した作品でした。
また、今回も恋愛要素増し増しです!
ただ今回は、彼女たちに対する周囲の反応も見所です。
ラブラブでありながらも、彼女たちだけの閉じた世界というわけではないのが、魅力です。イチャラブが好きな人には周囲の目が邪魔に思えるかもしれませんが、その裏にある彼らの想いが面白く感じます。
他にも、主人公にしてみれば、やや納得のいかないであろう「結び師」も私は結構気に入っている設定のひとつで、こういったところに作者の優しさを感じます。
きっと主人公の見ているものは作者の見ている世界のほんの一部で、作品全体に作者のいろんな考えが詰まっているのだろうと思います。

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