2019年2月12日火曜日

「才能」という悩み【放課後の魔女】《感想》

ジャンプ小説新人賞'14Springキャラクター小説部門銀賞受賞作品です。
5年くらい前の作品ではありますが、PEACH-PITさんのイラストの表紙が気になり、手に取りました。

イメージ通り、可愛く儚く懐かしいお話でした♪
各章の冒頭で、ミステリ的な不穏な雰囲気の強い部分がありますが、全体的には学園モノで、中学生の頃を思い出させられるような作品です。

夢や友情といった明るい部分を、挫折や嫉妬といったもので編み込むように描かれているのが好きです。
特に、「才能」は友達関係に意外と影響を及ぼしてしまうものだと思います。
「才能」も個性のうちなのだから、羨んだところでどうしようもない。
でも、無いからこそ良さが見えるし、持っていると当然で気づけないために、それぞれにいろんな想いが生まれてしまう...。
私も悶々と悩んだことを思い出しました。

元々のタイトル、「魔女になりたかった」も私は好きです。
このタイトルのときの方が、作品のテーマがハッキリ見えると思います。
「放課後の魔女」というタイトルは、ミステリ部分を際立たせるためなのかなぁと思っています。

不安定で、悲しくて、儚くて、切ないんですけど、温かくて、懐かしいお話です。
ミステリ要素が、物語に不穏さを与えるアクセントになって、とても素敵な作品でした。
読後感は温かい気持ちになります。

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