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序盤はバリバリの相撲小説なのですが、ミステリ怪異小説でもあります。
あの城平京さんが相撲小説を書くとこうなるのかぁ...という感じでした。
ミステリのときのロジカルさが、主人公を頭脳派キャラにしています。
ホントに凄いです。
私は相撲なんて興味なかったのに、ちょっと面白そうだと思ってしまいました。城平京さんの緻密で論理的な物語は、相撲だけに留まらず、青春や怪異譚なども取り込んだ上で、きっちりミステリ要素まで描かれています。
いろんな要素が交錯する中で、いくつかの真実も明かされるのですが、読み終えてから、幸せなお伽噺のようだったと感じました。
昔話や神話には、何かしらのメッセージが付き物ですが、この作品は扱い方が秀逸かつ凄く分かりやすいです。
この作品は「外から来たもの」。
「転校生」「田舎の村」「外来種」などで自然に描かれ、最後にちょっとそれについて語られる場面があります。
最後に具体的に語られるという構成はミステリ作家っぽい分かりやすいこうなるのかぁだと思います。
そして何より、ハッピーエンドなのですが、主人公たちにとっては始まりともいえる結末なのです。
ハッキリ言うと、続きが読みたいのです!
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