2019年2月9日土曜日

フィクションらしからぬ救いの無さ...【愛と呪い 2巻】《感想》

性的虐待などで苦しい青春を送る少女の話、第2巻。
今回は高校生時代です。
凄く重かったです...。
本の帯を見て、ちょっとは救いがあるかと思ってたのですが...。
あまりの救いの無さに、逆に現実味を感じました。
それでも、「半自伝」というのを信じたくないです...。

でも、もし本当に作者の体験が元になった話なら、前作の「ぼくらのへんたい」の主役3人もそこから来ている部分が多いのだろうと思います。
「ぼくらのへんたい」と同じく、『多感な時期の性の問題』という言葉に含まれるテーマなのですが、こちらは目を背けたくなるような生々しさがあります。
『欲』から生じる生々しさです。
主人公の愛子は、相手の男性からすれば、病んでる女の子なのでしょう。
しかし、私は彼女の気持ちが少し分かるような気がします。
気持ち悪くて、何とかしたくて、余計にズブズブ嵌まって、抜け出すタイミングも分からなくて...。
たしかに、終盤の田中さんの言う通りでもあるけれど、自分より辛い人がいるからといって、自分が辛くなくなるわけじゃない。
だから、誰かに助けて欲しいけど、誰でも良いわけじゃない。
でも、そんなの周りには伝わらないし、自分でも伝えられないしで、ただただ現実から目を背けるだけで、ズルズルズルズル...。
フィクションでは、誰かが助けてくれるけれど、やっぱり現実では大抵、自分で何とかしなくちゃいけない問題なんだと私は思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿