2019年2月27日水曜日

嘘で解決するミステリ【虚構推理】《感想》

城平京さんの怪奇ミステリ小説。
第12回本格ミステリ大賞受賞作品です。
アニメ化おめでとうございます!

私は漫画からこの作品を知ったんですけど、やはりクライマックスは、興奮しました...。
是非、アニメ勢の皆さんにも興奮して欲しい...!
オチを知ってても、興奮します。


私は、紗季さんの「ひどい嘘」って台詞が好きです。
この結末を上手く一言で表していると思います。
この場面で、泣きたいような、震えるような気持ちになりました...。畏敬の念で...。
こんな推理小説なかなか無いです。
嘘で解決を導くなんて...。

しかも、上っ面の嘘でなく、緻密に論理を積み立てた「虚構」です。
それでも、全員を救えるわけではないのが、寂しいというか、世知辛いというか、現実的というか...。

また、登場人物達の魅力を改めて感じました!
漫画の方が、怪奇やバトルの要素がハッキリした展開で、キャラクターもよりコミカルな雰囲気です。
でも、この原作小説でも、充分素敵なキャラクターで、漫画のときとは少し違う印象を受けました。

特に、岩永の特異な性格は小説の方が際立っていると思います。
片瀬さんのあのコミカライズは絶妙なんですが、原作を読むと、よりハッキリキャラクターを感じられます!

あと、今作の終盤の九郎くんの台詞について。
二人の間の信頼を感じる良い場面なんですけど、講談社タイガで刊行されている短編集を読むと、「おいっ」ってなります。岩永可哀想(笑)

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