2017年8月12日土曜日

重厚な冒険モノ【上と外】<感想><ネタバレ注意>

全六巻の文庫本書き下ろし作品なのですが、上下巻に合本されたものもあります。私は上下巻の方で読みました!
あとがきには、作品を書いた後に舞台となったG国のモデル、グアテマラに行かれた話もあります。
今回は冒険モノでした!<ジャングルや地下遺跡でのドキドキアドベンチャー>と言ってしまうと少しチープに聞こえますが、主人公たちのやや特殊な家族関係に加えて、クーデターなどの事件も絡み、とても重厚な内容になっています。
冒険モノと書きましたが、登場人物たちの心情の変化が一番の見所だと思います。
主人公の練と千佳子が二人揃ってヘリコプターから投げ出されたのと対照的な描写としてだけでなく、練と千佳子のそれぞれの成長が表れているように思います。千佳子の救出の場面は、千鶴子の変化が大きく表れている場面でもあり、涙なしには読めません。
前半の千鶴子は「恋に盲目」で自分勝手な母親だったのですが、終盤、目が覚めたように必死に千佳子と練を助けようとする様子に号泣してしました...。
なかなかの長編ものではありますが、オススメです。

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