2018年1月3日水曜日

ラノベと侮るなかれ!【θ 11番ホームの妖精】

「鏡仕掛けの乙女たち」と、続編の「アクアリウムの人魚たち」の両方を読み終えたので、感想を...。
スワロウテイルシリーズの揚羽が風に翻弄される蝶々だとすれば、θのTBは風車という感じで、争いの中に身を置いている訳ではないけれど、いろいろな思惑に振り回される主人公です。なので、スワロウテイルのときより、日常感が強い話になるのですが、それが逆に政治や社会に関する要素を際立てています。
要するに、ラノベだと思って侮って読むとワケわからなくなる場面は多いです!未来の科学技術の設定なんかは、SFならではの楽しみなんだと思うけれど、やっぱりムズカシイ...。
ただ「アクアリウムの人魚たち」に収録されている5話の冒頭で、静樹くんが語る「四種類の人間」は凄く興味深いです。四種類の内の一種類、「ファッション感覚」で多数派の認める意見を選ぶ人々を「正義の味方型」と称しているんですが、ヒーロー好きな私としては、解せぬ...。
でも、確かに時代によって「正義」は変わるものかもしれないし、多数派に認めてもらうために振りかざす「正義」もあるのかもしれないけれど、それをひと括りに纏めてしまうのは、違う気がする...。けど、ヒーロー達だって人間なんだから、承認欲求があるのでは...?でも......と、悶々と考えさせられました(笑)
作者の藤真さんが、人工知能をテーマに扱われるのは、こういう人間社会での善悪への問題提起の意味もあるのかなぁと思います。
θはこの後、続編が出るのか分からないけど、関連した話を書かれているそうなので、読んでみようと思ってます。

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